野球肘・肩

野球肘・野球肩とは?

野球肘・野球肩とは?

野球肘・野球肩は、投球動作の繰り返しによって肘や肩に生じる障害の総称です。野球だけでなく、ソフトボールやバレーボールなど、腕を振る動作を繰り返すスポーツでも発症します。

特に成長期の子どもは骨や軟骨がまだ柔らかく、損傷を受けやすい状態にあります。「少し痛いだけ」と我慢して投げ続けると、取り返しのつかない障害につながることもあります。早期発見・早期治療が、スポーツを長く続けるための鍵です。

投球障害が起こる仕組み

投球障害が起こる仕組み

投球動作では、下半身→体幹→上半身へと順番にエネルギーが伝わります。この一連の動きがうまくいかないと、肘や肩に過度な負担がかかります。

この動きがスムーズにできなくなる要因として、投球動作の繰り返しや投球過多が挙げられます。これらによって体が硬くなると、下半身や体幹を使えない、いわゆる「手投げ」のフォームになり、徐々に関節・靭帯・筋肉を痛めてしまうのです。

野球肘

野球肘は、損傷部位によって以下の3つのタイプに分けられます。

外側型野球肘(離断性骨軟骨炎)

12歳前後の成長期に発症するのが特徴で、初期にはほとんど症状がありません。知らずに投げ続けると骨の状態が悪化します。症状が出た時には手術が必要になることも多いですが、早期発見できれば自然治癒が期待できます。自覚症状がなくても定期的な検診が重要です。

肘の後方

肘の外側

正常(レントゲン)

正常
(3D-CT)

肘頭骨端線離開(レントゲン)

離断性骨軟骨炎
(3D-CT)

離断性骨軟骨炎の病期分類

内側型野球肘

子どもの野球肘では特に多いタイプで、少年野球選手(小学生~中学生)の20%以上に見られるという報告もあります。成長期では骨が筋肉に引っ張られて剥がれる内側上顆剥離骨折、成長期以降では内側側副靭帯損傷が生じます。

肘の内側

肘の内側

正常(レントゲン)

正常
(レントゲン)

内側上顆裂離骨折(レントゲン)

内側上顆裂離骨折
(レントゲン)

後方型野球肘

肘を伸ばす動作(ボールリリースから後の動作)で肘の後方に負担がかかり発症します。初期は痛みがないこともありますが、進行すると投球休止だけでは治らず、手術が必要になることがあります。

肘の後方

肘の後方

正常(レントゲン)

正常
(レントゲン)

肘頭骨端線離開(レントゲン)

肘頭骨端線離開
(レントゲン)

野球肩

野球肩も野球肘と同様に、損傷を受ける組織によっていくつかのタイプに分けられます。

リトルリーガーズショルダー

成長期の子どもに見られる障害です。繰り返しの投球動作により、上腕骨の骨端線(成長軟骨)に負担がかかり離開することで起こります。肩の痛みと投球時の違和感が主な症状です。

リトルリーガーズショルダー

正常
(レントゲン)

リトルリーガーズショルダー

リトルリーガーズ・ショルダー
(レントゲン)

関節唇損傷・SLAP損傷

成長期以降に多く見られます。投球動作の繰り返しにより、肩関節を安定させる関節唇の上部が損傷します。上腕二頭筋腱との付着部が引っ張られて起こることが多く、投球時の痛みや引っかかり感が特徴です。

腱板損傷

肩を安定させるインナーマッスル(棘上筋、棘下筋など)の腱が部分的、または完全に断裂した状態です。投球時の痛みに加え、腕を上げる力が弱くなることがあります。

インピンジメント症候群

投球時に腱板が骨と骨の間で挟み込まれ、炎症や損傷を起こす状態です。腕を上げる動作で痛みを感じ、放置すると腱板損傷に進行することがあります。

野球肘・野球肩の症状と受診の目安

野球肘・野球肩の放置は、その後の選手生命にも影響します。以下のような症状がある場合は早めに受診してください。

    • 投球時や投球後に肘が痛い
    • 肘が完全に伸びない、曲がらない
    • 肘に引っかかり感がある
    • 投球時に肩が痛い
    • 腕を上げると痛みや引っかかりを感じる
    • 以前より球速が落ちた

など

垂水区のやまがみ整形外科では、野球肘・野球肩の診断と治療を行っています。院長はプロスポーツ選手への治療経験も豊富です。痛みを我慢して投げ続けると障害が進行しますので、早めにご相談ください。

野球肘・野球肩の治療

保存療法

投球を休止し、消炎鎮痛剤で痛みを抑えるのが一般的なアプローチとなります。ただし、休んでいるだけでは根本的な解決になりません。痛みの原因となっている体の硬さや投球フォームが改善されなければ、再び痛みを繰り返してしまいます。

リハビリテーション

当院でのスポーツ障害治療の基本姿勢は、極力競技を継続しながらリハビリを行い、症状と投球フォームを並行して治すことです。重篤な状態では競技を休む必要がありますが、その際もただ休むのではなく、早期復帰と再発予防を見据えたリハビリで時間を有効に使います。

身体の柔軟性の改善と正しい投球フォームの習得が再発予防の鍵です。段階的な投球プログラムを作成し、競技復帰とパフォーマンスの向上をサポートします。

手術

保存療法で改善しない場合や、離断性骨軟骨炎で軟骨が剥がれている場合は手術を行います。内視鏡(関節鏡)での遊離体除去、骨軟骨移植、靭帯再建術などがあります。

当院の院長は上肢の専門家であり、これまでプロスポーツ選手の手術・リハビリを数多く担当してきました。手術が必要な場合は院長が執刀し、その後の競技復帰と予防ケアまで当院で一貫対応いたします。

野球肘検診のご案内

当院では野球肘検診や野球教室を通じて、子どもたちの障害予防に取り組んでいます。野球肘の多くは無症状で進行するため、痛みが出た時には重症化していることも珍しくありません。

初期段階で発見できれば保存療法での治癒が期待でき、競技の休止も最小限に抑えられます。1回の検診で安心せず、半年から1年ごとに定期的に受けることが大切です。

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